インフルエンザの治療方法

インフルエンザに感染したとしても、十分な体力と免疫力があれば、通常の風邪より症状が激しいとしても自然に治ります。
しかし、お年寄り慢性の病気をお持ちの方は合併症を併発することが多いので、自己判断せずに、早目に医療機関を受診することが必要です。

 また、早めに治療することは、家族や周りの人にインフルエンザを移さないと言う意味でもとても重要な事なのです。
 インフルエンザの治療は大きく分けて、「一般療法」「対症療法」「化学療法」の3つに分類する事ができます。

【一般療法】
 一番大切なのは、できるだけ安静にして十分な睡眠と栄養を取って、体力をつけることです。
また、インフルエンザウイルスの空気中での活動を抑えるために、 加湿器などを利用して、室内の湿度を60〜70%に保つように心がけてください。
 また、スポーツドリンクなどで手軽に取れるアルカリ飲料水などを上手に使って、十分な水分の補給をすることで脱水症状を予防しましょう。
※普通の水より、アルカリ飲料水の方が体内吸収が良いです。

【対症療法】
 一般的なインフルエンザの治療に、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などには、解熱鎮痛剤、鼻水、くしゃみに抗ヒスタミン剤、咳、痰に鎮去痰剤が用いられますが、これらの症状は体外に、インフルエンザウイルスを追い出し治そうとする、身体の自然な治癒反応なのです。 インフルエンザにかかってしまった場合は、むやみに薬で無理に抑えてしまうとかえって治りが遅くなってしまう事もあります。できる限り、自己判断で薬は服用せず医師の指示に従いましょう。
 また、小児の場合、解熱鎮痛剤を使用するとまれに、ライ症候群という合併症を併発する可能性もありますので、必ず医師の指示のもとに服用するようにしてください。

【化学療法】
 今までインフルエンザの化学療法というと主に合併症の治療でした。しかし、インフルエンザの治療薬として抗ウイルス薬のアマンタジンが保険の適用となりました。
この薬は発病初期(48時間以内)に服用するとインフルエンザの治りが早くなります。ただし、どのインフルエンザにも有効と言うわけではなく、A型ウイルスにだけ効果があり、B型ウイルスには無効です。
 また、他の薬が効きにくくなるので、症状が軽い場合や発病後時間がたっている場合は不要と言えます。

 ここで重要な事なのですが、風邪に有効である抗生物質インフルエンザウイルスには無効です。
合併症の肺炎を引き起こしている方や、高齢者で肺炎を引き起こす可能性の高い方に予防を目的として使用する以外、インフルエンザの治療では抗生物質は使用しないのです。